福島原発・国会事故調の報告書を読んで
2012-09-16


11日、福島第一原発・国会事故調の報告書が一般発売され、Amazonに予約をいれていたので、僕の元にも届いた。
頁数が600頁弱なので、まだ一部分しか読んでいないが、新しく知った事実を中心にしてまとめてみる。

まず、SPEEDIによる放射性物質の拡散状況を表すマップについては、大きな誤解があったことが分かった。

比較的放射性物質の拡散が多かった飯館村や南相馬市などの地域に間違って避難させられたという批判があるが、避難時点でのSPEEDIのデータでは分からなかったのである。その時点での拡散状況を示すマップでは、海の方に向かって、拡散地域が拡がっていた。

恐らく僕も含めて皆さんが見たマップは、実際の放射線データから逆算してSPEEDIに演算させたマップなので、当然、飯館や南相馬は、線量が高くなっている。
現実の放射線データは、かなり前から分かっていたのに、その後の計画的避難区域の発表がさらに1か月後と、極めて遅くなったことは非難されて当然だろう。

それと、特に病院に入院されていて、避難の途中で亡くなられた方が多かったことは、少し前のNHKの番組でも取り上げられていたが、第一原発から数キロにある双葉病院では、40人(3月末)もの方が亡くなられた。避難のありかたを十分に詰めておく必要がある。受け入れ準備ができていないのに急いで避難すべきであったのか。

今更、報告書を読んだからと言って、被害が少なくなるわけでもないと言われれば、その通りだけれども、多くの示唆が含まれ、600頁もある報告書が1680円で手に入るので、皆さんも一度読んでみたらいいと思う。
[震災・津波]
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