アイスランドの場合
さて、デフォルトがどんな状況で発生したのか、アイスランドの場合から見てみよう。アイスランドの場合のデフォルトは、特に国債の債務不履行が原因ではないが、ごく最近の出来事で記憶に新しく、デフォルト前の華々しさから取り上げた。
アイスランド共和国は、イギリスの北西に位置する北大西洋上の小さな島国で、人口は32万人と埼玉県越谷市と同じ位だ。このような小さな国に外国から莫大な資金が流入し、一時はアイスランドの銀行の総資産額がGDPの10倍にも達し、金融王国とまでもてはやされた。しかし、サブプライム問題が発覚すると、外国資金はあっという間に逃げてしまった。サムライ債のデフォルトなど借りた資金を返せなくなり、2008年10月に破綻した。
その後のアイスランドは、IMFの管理の下で耐乏生活を余儀なくされている。GDPは2009年マイナス6.5%(前年比)、失業率も2010年には、10%に近づいている。ただ、2008年には18%に達したインフレ率[図表1―1]も、このところ落ち着きを見せ、ハイパーインフレにはなっていない。
韓国の場合の破綻も、特に国債の債務不履行が原因ではないが、お隣の国であって、経済発展も著しいので取り上げた。
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