アイスランドと韓国の場合
2011-08-13


 

韓国の場合もアイスランドと同様に海外からの多額の融資を受けながら経済成長にまい進していた最中に、中堅財閥の韓宝グループから始まった破綻が相次ぎ、ついに起亜自動車の経営危機が表面化した。そして、企業の破綻が続く中、1997年のアジア通貨危機が起きてしまい、結局IMFに援助要請をする他なくなった。よって厳密にはアイスランドとは相違するかもしれないが、厳しいIMFによる統制を受けたことには違いない。IMFによる統制により起きた出来事を総称して「IMF危機」と呼んでいる。

 

IMFにより市場開放を迫られ、多くの主力銀行に外国資本が参入して牛耳られ、倒産、失業、財閥解体などに直面した。銀行間取引金利が1年前に比べて約3倍の27%になった他、通貨ウォンは米ドルに対して約半分の価値になり、失業率も通常2〜3%なのが、1998年には7%台まで上昇した。

 

株価も下落を続け、韓国株価指数が1100を超えていた1990年代半ばから数年で株価は約4分の1になった。1998年の実質経済成長率はマイナス5%を下回り、前年から10%以上も急落した。1人あたりのGDPも1996年には1万2000ドルを超えていたのに、1998年には8000ドルを割り込んでしまった。

 

ただ、韓国のインフレ率(前年比)[図表1―2]は、1997年に6%を超え若干増加したものの直ぐに1〜3%台に戻り、やはりハイパーインフレにはなっていない。

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