1000兆円の借金ってどれ位?−Part2
しかし、[図表10]を見ると、平均金利はもうそれほど下がらないし、何らかの悪材料によって急に上昇する可能性もある。
現実に1987年9月に「タテホ・ショック」が起きた。
兵庫県の鉄鋼向け炉材用電融マグネシアのトップメーカー、タテホ化学工業は、バブル期に債券先物取引に失敗し、売上高の4倍に当たる285億円の損失が明るみに出た。ピーク時には同社の総資産の7倍以上に当たる2000億円を債券投資に振り向けていた。その額の大きさ、一気に債務超過に陥ったことなどから第2のタテホが出るのではないかといった不安心理が拡がり、債券市場から一気に資金が逃げ出した。そして発覚から3日間で長期金利が1%も上昇した上に、その後4ヶ月足らずで2.5%から6%まで急上昇する事態となった。
現在では、金利が1%上昇すると10兆円程度、利払い費が増加するので、金利が5%へと4%上昇するだけで約40兆円もの利払い費が増え、それだけで平成22年度の国全体の税収をも超えてしまうことになる。もちろん、上昇した長期金利は新規に発行する国債や借り換えする国債から適用されるので、一気に40兆円も増えるわけではない。
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