切りのいい1000兆円の借金を、生まれたばかりの赤ちゃんを含めて日本国民1人当たりに換算すると、780万円となる。4人家族なら約3000万円で、郊外に行けば、一軒家が買える借金を知らぬ間に抱えていることになる。これでは、持ち家を持ちたいのなら2軒分建てないといけない。
この1000兆円という天文学的な数字、想像もつかないような巨額さだが、1に続いて0が15個も並ぶ。
1,000,000,000,000,000円
1000兆の10倍が1京(けい)、めったにお目にかかることの無い単位であるが、それに近づきつつあると言うことである。
例えば年1%の金利と仮定しても、1秒間で31万円、1分間で1900万円、1時間で11億円。たった1日で270億円、1年間で10兆円の利子がつく。
実際の平均金利は、財務省発行の債務管理リポート2010によると平成22年3月末で1.36%(利付け国債のみで、割引国債は除く)である。だから、1000兆円の借金に対して利払いは年間、約14兆円にもなる。
最近の10年新発国債利回り(いわゆる長期金利)は歴史的にかなり低いレベルにあって、少し前まで1%を割っていた。だから、満期が訪れた国債を借り換えしていくと平均金利が下がっていき、利払いも増えず、だから破綻しないという人がいる。
[図表9]によると、確かにほんの十数年前には、長期金利が5%を超えていた。それを考えると、国債残高が何倍にもなっているのに、利払い費はわずかに増えただけだ。国債発行額の増加以上に長期金利が下がっているからだ。明らかに財務省と日銀は金利が下がるよう誘導している。
ここで、「利率」、「利回り」、「価格」について解説しておく。
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