実は日本の借金総額と言っても、多くの統計が存在する。[図表12]の平成22年3月末の数字で見てみよう。
まずは、政府債務として公共投資に充てた建設国債(財政法第四条で、「国の歳出は、公債や借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない」、と規定されていて国債発行を原則禁止しているが、但し書きで公共事業費などについては、国会の議決を経た金額の範囲内で建設国債の発行を認めている)や税収不足を埋める赤字国債(特例国債)などを含む普通国債は594兆円ある。
これに一般会計や特別会計の借入金などを加えた621兆円が日本の長期債務残高となる。他にも短期債務なのだが、政府短期証券(一時的な歳入不足時に発行される)という借金が106兆円ある。さらに地方債などの地方の長期債務が198兆円あり、財務省が公表している「国及び地方の長期債務残高」は819兆円になる。ただ、この地方の長期債務198兆円には国の方でもダブルでカウントしている30兆円弱があるので、少しは減らすことが可能である。
また、内閣府の国民経済計算(SNA)では、平成21年12月末で一般政府の負債は1018兆円となる。日本銀行が公表している資金循環統計では、平成21年度末で、1002兆円にものぼる。
一般政府の負債に含まれていない債務に財政投融資特別会計国債(財投債)がある。
※コメントの受付件数を超えているため、この記事にコメントすることができません。