普通は「長生きしていいね」ということになるが、長生きしたときに大事なことが２つあると思う。

１つは、足腰がしっかりしていて、不自由なしに歩けること
１つは、よく噛めること

後者は入れ歯があれば何とかなるが、前者は必須である。
いくら長生きしたって寝たきりでは、あまりに残念である。

そこで厚労省では１日、初めて「健康寿命」なる指標を発表した。
健康寿命：男７０歳、女７３歳。
平均寿命よりこちらの寿命の方が価値がある気がする。
定義は「国民が一生のうちで健康面の支障がなく日常生活を送れる期間」というもので、平均寿命の男７９歳（９歳差）、女８６歳（１３歳差）と比較するとおもしろい。
女性の方が健康でない状態で長生きすることが分かるが、何となく男性の方こそと思えるので奇妙だ。

寝たきりにならない為には努力が必要だが、努力といっても難しい話ではなく、歩くだけである。
最近は歩いて数分のところにも車で行く人もいれば、歩いて十数分の駅まで毎日、自家用車で送迎してもらう人もいる。

自分は３０分くらいなら平気で歩くし、駅まで送迎してもらったことは数えるほどでしかない。間に合わないなどよほどの場合である。風邪気味でも歩く。歩けないようなら、休んだ方がいい。

国はメタボ対策を宣伝しているが、結局は高齢者の医療費が莫大だからである。
厚労省の資料によると、平成２２年度の医療費は３６．６兆円だそうだ。
１人あたりだと２８万円にもなる。薬づけも問題である。これでもかと薬を出す。

メタボの定義で、お腹周りが何センチ以上なんて本当はどうでもいい。国は医療費を下げたいのである。でも、国の思いも確かに分かる。集めた保険料だけでは足りなく、約１０兆円の公金が投入されている。保険というのは集めたお金だけで回すイメージがあるが、それだけでは不足する。
何とかしないと財政が破綻するというか、もう破綻している。

暴飲暴食せず節制していれば、８０歳くらいまでは普通に生きられる。
でも、自分の足で歩けて、おいしく食べて長生きしたいものである。

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