とうとう日銀が明確な「インフレ・ターゲット」に舵を切った。
13、14日に行われた日銀の金融政策決定会合で、物価上昇の目標を「1%」と明確に設定した。以前にもそれらしき目安はあったが、分かりにくいとの批判にさらされていた。
物価上昇率を明確に目標とすることで物価が上昇し、会社が儲かり、賃金が上昇してデフレに終止符を打とうとの目論見である。
しかし、そううまくいくだろうか。第一、物価が上昇してから賃金が上がるまで時間差があるので、常に支出超になってしまう。
それと、インフレの制御に失敗すると、長期金利が上昇していく。1000兆円もの国債残高があるので、新規に発行する国債から適用されるのですぐにはならないが、1%の金利上昇で10兆円の負担増にいずれはなる。
今回の措置で短期的な動きは、こうなる。
株式:上昇する
為替:円安
債券:売られる(長期金利上昇)
ただ、長期的にはどうだろうか。デフレの原因は人口減だったり、バブルの崩壊だったり、構造的な問題なので、一朝一夕には変わらない。短期的なアナウンス効果で終わるのではないか。今は誰がやってもデフレの退治はできない。バブルやハイパーインフレなどの副作用とデフレのどっちがいいですか?
物が安く買えるデフレの方がいいですよね。
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