日本人が作るシステムや機械、さらに日本人そのものに対する安全神話が生まれ出されてきた気がする。しかし、それは説得力が無い迷信であった。それを過去の重大事故からみてみよう。
1.日航ジャンボ機墜落事故
日本で最も信頼された航空会社である日本航空の羽田発大阪伊丹空港行きの123便が、1985年8月12日の夕方、群馬県・御巣鷹山の尾根に墜落した。この事故で520人の方が亡くなり、単独事故としては世界最悪の犠牲者となった。
原因は、当機が以前しりもち事故を起こしたときの修理ミスにより圧力隔壁が損傷したことにより、全油圧系が作動しなくなり、操縦不能に陥ったことによる。
2.JR福知山線脱線事故
2005年4月25日朝、JR福知山線の列車が尼崎駅まであと1.4キロのところで脱線し、107名の方が亡くなった。この犠牲者数はJR発足後では最悪であり、原因は運転士が時間の遅れを気にするばかりにスピードを出しすぎたことと、自動列車停止装置の不備が指摘された。
3.東電福島第一原発事故
2011年3月11日発生の東日本大震災による地震(M9.0)と津波(15m)による事故とはいえ、当初より人災との報道が相次いだ。というのも、非常電源装置の設置場所や設置高さなどを見直しすれば全電源喪失、そしてその後の水素爆発と燃料溶融には至らなかったと思われる。この対策なら原発完成後にもできたはずだ。最も良い対策は、原発自体をもう15メートル高く築いておくことではある。
実際2008年に全電源喪失と燃料溶融の可能性を指摘した経産省所管の独法「原子力安全基盤機構」もあったし、過去の貞観津波(869年)に同様な津波が襲ったとの記録も残っている。
以上見てくると、このシステムは安全だからとレッテルを貼ってしまい、せっかく修正できる可能性があったにもかかわらず、見逃してしまった。よく見ると、上記3社の元は、国営や半官半民である。
「日出づる国」「Japan as No.1」、そしてバブル景気ともてはやされている内に、神話を作り出してしまったのではないか。驕りと慢心が世界でも例が無いような事故を起こしてしまったのではないか。もう一度、謙虚な気持ちでやりなおそう。
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